歴史写真のトリック〜政治権力と情報操作 / アラン・ジョベール
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歴史写真のトリック〜政治権力と情報操作 / アラン・ジョベールの商品説明
これはかなり傑作な本です。
1989年の刊行時にすぐに購入しました。もちろんこちらはそれとは別に仕入れたものです。
ときの権力者によって歴史写真が修正されていく...
今日ではフェイク画像が珍しくなくなって、あ...そう、くらいにしか思わないかもしれません。
トランプのようにあらゆるデマを自ら発する人間が大統領になってしまう時勢ですから、世の中フェイクだらけと言ってもよいかもしれません。
大がかりな修正は、ソ連でレーニンが死んだあとにスターリンが独裁体制を築いて始まりました。
政敵であったトロツキーが写っている写真はすべて修正され、トロツキーが消されたのです。
本書はそうした事実を修正前、修正後の写真を掲載して実証していきます。
(わかりやすいように掲載写真に赤の↓をつけました。)
かなり詳細で、世界的にも本書くらいしかこんな本はなかったように思います。
私は高校生のときに読んだトロツキー選集のなかの一冊「スターリン学派の偽造」で、こうした事実を知りました。
1970年の大阪万博は中学の修学旅行で行ったのですが、ソ連館で売っていたレーニンの演説ソノシートブックでは、
トロツキーが写っている写真はすべてトリミングされて削除されていました。
おおよそゴルバチョフのペレストロイカまで、そんな修正が続いていたのです。
全体主義体制に顕著なこの修正を著者のアラン・ジョベールは詳細に辿っていきます。
6人の子どもをつくってナチの理想的とする子だくさん家族を実現したと思われたゲッベルスは女好きで、やたら女優に手を出していました。
それがヒトラーの逆鱗に触れ、一時、家族写真からゲッベルスが消された写真が流通します。
中国では毛沢東が文化大革命で独裁的権力を握って以降、ナンバー2だった林彪がその後クーデターを画策し失敗。
以後、公式写真で毛の隣に並んでいた林彪は消されてしまいます。
昔はフォト・レタッチャーがインクのスミ、そしてホワイトインクを点描画のように写真に乗せていって、消すべき人物を消していきました。
じつはわたしも高校の写真部にいたときに遺影の修正などで、その作業をやったことがあります。
いまではフォトアプリですぐに消せますが、そんなものが無い時代は根気のいる作業でした。
ジョベールの掘り起こしは圧倒的で、政敵が消されたとかだけでなく、背景を変えて独裁者を際立たせるとか、写っているマイクを消すとか、
さまざまな細部を掘り起こして、すべて写真で見せていきます。
歳月が経ってもまったく古びない良書と言ってよいでしょう。
この本のみでしたら、クリックポスト185円で発送できます。
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著者:アラン・ジョベール
出版社:朝日新聞社
発行:1989年
ソフトカバー : 192ページ
サイズ:22.5 × 28 × 1 cm
言語:日本語
状態:帯付き。もともとパラフィン紙が被せてありましたので、そのまま撮影しています。四隅に若干経年黄ばみが出ています。