シュルレアリスムに潜むバロック性について「The Surrealist Look」
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シュルレアリスムに潜むバロック性について「The Surrealist Look」の商品説明
最初に書いておきますと、本書はグラフィック本ではなく〝読む本〟です。
図版はたくさん掲載されていますが、モノクロであくまで本文に対する資料図版の扱いです。
著者のメアリー・アン・コーズは、邦訳も出ている『シュルレアリスムと女たち』の著者で、シュルレアリスム関連の何冊もの著作がありますが、
女性ということもあって、とくに女性作家に関しては詳細です。
本書の基本はシュルレアリスムのなかにバロック的なものを見出し、さまざまな作家、作品を通じてそれを検証していくというものです。
一昔前、まだシュルレアリスム的なものにチカラがあり、多く論じられた頃は「シュルレアリスムは20世紀のマニエリスム」だという言説も多々見られました。
本書はそのあたりを詳細に紐解く形で、やはりフォンテーヌブロー派の有名な「ガブリエル・デストレとその妹ビヤール公爵夫人」などの図版も登場します。
画家のドロテア・タニングが大変好きで、珍しい画集なども持っていますが、本書では彼女について1章を割いているのが興味深いです。
タニングの絵に頻出するドアのイメージから分析されていきます。
それはマルセル・デュシャンの「遺作」のドアにもつながっていくわけです。
そして著者コーズはタニングのセルフ・ポートレートを論じ、同じ章でクロード・カーアンについて詳細に書いていきます。
多様なセルフポートレート作品を残したカーアンが、いわば「発見」されるようなかたちで再評価されたのは死後、40年も経ったあとの1990年代のことでした。
彼女は1930年代にシュルレアリスト・グループに加わりますが、本書にはアンドレ・ブルトンと一緒の貴重な写真なども収められています。
タイトルに「Look」とあるように見え方、見え様に関して論じていますので、たとえばマン・レイが撮ったエルザ・スキャパレリのポートレートなども俎上にのります。
彼女がフェザーのガウンをまとっているがゆえ、マン・レイはスキャップに虚空を見ている(鳥のように)ポーズを取らせたのだ、、などと。
本サイトでは毎日一冊の本をアップすることにしていますので、読んだうえで紹介していくのは不可能ですが、
パラパラっと見て、いくつかのページを斜め読みした印象では、とても面白そうな内容です。
図版のほうは本書で初めて見る作品がかなりありました。
とくにずいぶん見てきたマン・レイの作品に(まぁ、たいへんな多作家ですが)、見たことないものがたくさんあって、これはちょっと驚きでした。
この本のみでしたらレターパックプラス520円で発送できます。
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著者: Mary Ann Caws
出版社:MIT Press
発行:1997年
ハードカバー:344ページ
サイズ:19 x 23.5 x 2.8 cm
言語:英語
状態:ダストカバーに多少の経年感がありますが、概ね状態良好。