幻視者たちの建築「Gardens of Revelation: Environments by Visionary Artists」
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幻視者たちの建築「Gardens of Revelation: Environments by Visionary Artists」の商品説明
ヴィジョナリー=幻想家、あるいは幻視者と言ってもよいかもしれませんが、それを建築家に冠したのは、ルドゥー、ブレー、ルクーらの
18世紀の建築家にが最初だったと記憶します。
彼らは誇大妄想的(ブレー)であったり、極端に幾何学的(ルドゥー)であったり、エクレクティック(ルクー)だったりしました。
その系譜ではないですが、本書の著者ジョン・ビアズリーは、郵便配達夫シュヴァルを始めとする個人の妄想的な建築物、庭園をヴィジョナリー・アーティストとして紹介しています。
ようするに専門的な知識もなく、専門教育を受けなかったものの、極端に独創的なものを自分の手で作った人たち。
フランスの郵便配達夫シュヴァルは毎日の配達の行き帰りに面白い石をみつけるとそれを仕事のあとに拾いに行って、33年かけて自分の〝城〟を造ります。
現在では「シュヴァルの理想宮」として観光地にもなっているくらいです。
本書ではシュヴァルを始め、おもに欧米圏の25カ所のVisionary environment(幻視の風景)を紹介しています。
ドイツ系アメリカ人の牧師、ポール・ドバーシュテイン(パウル・ドッベルシュテイン)の聖なる洞窟が面白かったです。
掲載後半のバシリカ様式の建築ミニチュアが並ぶ庭園など。
基本的にこうした創造者の作業は絵画などでいうアウトサイダーアートと同質なものと感じます。
幻視でありつつ、原始なのです。
〝余白〟という概念は〝近代意識〟の産物である、というのが私の持論ですが、アウトサイダーアートもVisionary Architecturesも
余白を嫌って、空間を埋め尽くしていくところがそっくりです。
というわけで、本書に掲載された建築や庭には、近代意識を忌避した空間恐怖のようなものばかりです。
そこがいわゆる「建築」つまり〝近代意識〟による構造物の対極に存在するような感じで面白いのだと思います。
図版はたっぷり掲載されていますので、見応えあります。
また著者ビアズリーがそれぞれの作家についても詳細に記していますので、知識としても十分に楽しめる本です。
表紙はパッと見、ふつう程度のデザインセンスといった感じですが、じつは用紙選択がマットの良い紙。
その真ん中の写真だけグロスニスを敷いて光沢感を出すなど、案外、洒落て凝った造本です。
この本のみでしたらレターパックライト430円で発送できます。
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著者:John Beardsley
出版社:Abbeville Press
発行:2003年
ハードカバー:224ページ
サイズ:26 x 23.5 x 2.5 cm
言語:英語
状態:ダストカバーに多少の経年スレ、天にわずかに経年シミ等ありますが、全体にきれいな状態です。