2017/11/02 01:45

ここ10年来、写真集バブル、ともいうべき時代が続いてきたと思う。
ヤフオクで「本・雑誌」のディレクトリの下のほうの階層にある「アート写真」はすごく活況を呈していて、高いものはとんでもなく高くなった。

日本の写真家では、森山大道とか中平卓馬などの古い写真集が値上がりし、荒木経惟などは高値安定という感じでサイン本とかだとけっこう競って高くなってました。
アラーキーは海外で出版されていない写真集だと海外オークションのe-bayでは、けっこうな高値が最初から付けられていて。
ホント、日本の古書店で安く買ってe-bayで売ってみては、なんて思ったほど。

この写真集バブル、一時ほどではないものの、いまでも続いている模様。
海外写真家ではハーブ・リッツの絶版写真集なんてかなりの高値でずっと安定しています。

ここでバブルという古葉を使ったわけは、当然「バブル」はいつかはじけるということ。
「市場」には無限の「需要」があるわけではなく、欲しい人が買ってしまえば、必然とそれ以降は価格が下がります。
コレクターがかなりいたとしても、所詮、アート系ですから数は限られるし、そうなるとあとは投資目的の人とか。
でも、絵画と違って複製物である写真集は、少なくとも数百や数千は印刷されているのでやはり絵画のようには青天井では伸びていかない。
中平卓馬の回顧展が美術館で開かれて図録が売られれば、やはり貴重な初版本でも多少は影響は受ける。

正直、このバブルは早く終わって欲しいなあ、って思っています。
だった200ページ以下くらいの写真集(しかもある程度の数が印刷されたもの)に数万円から
10万円近い値段が付くのっておかしいと思う。しかも戦前の稀少品とかでなく60年代以降のものに。
だからあと数年もすれば一部を除いて、適正価格に落ち着くのではと思います。
売るなら、今のうちにね。古書店に持って行かずに、ヤフオクの「アート写真」に出品がいいかも。