2018/07/28 01:20

mondo modernという素人古書店を始めたのは、あまりにも増えすぎた本を処分しなければ、ということだったが、まず古物商の免許を取るのに時間がかかった。本業のデザインの仕事が忙しいときは手が回らなかったから。

で、ヒマになったら? というと「仕事を作らねば」と営業して古物商免許そっちけ。で、構想から免許を取るまで3年くらいかかった。サイトを構築していた信頼するスタッフが「ほとんど出来ていてオープン寸前」と言ってたのが、チェックしたところまったくグチャグチャの状態なのに、そのまま辞めてしまった。。FC2からBASEに変えて新しいスタッフと一からつくりなしてオープンしたのが昨年9月。この間、5年あまり。

正直言って、アップしていく労力と売れ行きで言ったらまったく採算が取れない。仕入れはまったくしていないので、いつか終焉が来ることも覚悟している。
すでに600点を超えているから、個人のコレクションとしてはかなりの数と自負しているが、どうしても売りたくないものはアップしていないからまだまだ本はある。

「読む」本もアップしていけば3倍以上の商品点数になるけれど、そこは我慢してます。ブランディングとしても中途半端なものになってしまうから。で、グラフィカルな本は? というとウケは良いけれど売れない。なぜかとずっと考えていたけれど、結局、古い写真や珍しいアート作品などもツイッターで捕捉しようと思えば、ある程度できてしまう。スマホで図像を消費してしまう時代なのだ。

もうひとつ。デジタル画像データには基本的に瑕疵がない。ノイズがない。本にはそれぞれに違った経年感や傷みがある。デジタル・データの時代に慣れてしまうと、みなその均質な状態をデフォルトと考えてしまうようになる。さらに本は置き場所を食うのだ。スマホで見れればいいじゃないか!

よく「本は、なくならない」という言葉に出くわす。たぶん「読む」本は細々とでもなくならないと思う。その点では正しいのだけれど、ヴィジュアル・ブックは.....なくならないかもしれないけれど、瞬間的に書店に並んで、衝動買いさせて終わる文化になってゆくと思う。それを「文化」と呼んでいいのかわからないけれど。

だから一部の人に訴求できる本以外は、ヴィジュアル・ブックの「古本」というのは限りなく消滅してゆく気がする。そうした古書店も淘汰されてゆくと思う。残念だけれどしょうがない。21世紀って、まったく楽しくない。