2020/07/28 22:35

新本なのにすごく安く古書店に流れる本を「ゾッキ本」という。
日本では「再販制度」によって値引きが自由にできないため、版元が不良在庫にならないよう売れ行きの見えない新本を処分するのがゾッキ本だ。
神保町の〈日本特価書籍〉という店によく出ていて、あそこではいろいろ買った。倒産した出版社の本も大量にゾッキ本として出る。
京都書院とか「良い本だけれど、これ出してたら潰れそう」と思っていたらそうなって〈日本特価書籍〉に山と積まれた。

海外にも似たようなシステムがあるのか知らないのだけれど、一時、ネットで新刊が度はずれて安く買えたりしたことがあった。
リーマン・ショック前の為替相場が圧倒的に円高だった時期で、それも大きいのだけれど、それでも安すぎる価格。

『Edward Steichen In High Fashion: The Conde Nast Years, 1923-1937』もそんな一冊だった。
送料合わせてものちの定価の半額以下。1冊届いて感動して、あと2冊も買った。
グレタ・ガルボの写真集も。セベルジェ兄弟の『ELEGANCE』という1930年代のファッション・スナップ集も。
...なんか本屋ができる気がしてきた。投機気分も出てきて、調子に乗って何冊も買った。

でも、古書販売をやるには古物商の免許が必要だったのだ。。

書類用意して役所に行ってとか、めちゃくちゃ苦手なので、遅々として進まないうちに、同じ本がたまってしまった。
リーマン・ショックでも事務所、赤字にならなかったし、、と遊びにきた友人にあげてしまった本も多い。
ガルボ写真集なんて7冊買って、4冊は映画好きやガルボ好きの友人にあげて、書店を始めたときに3冊しか残っていなかった。まあ、2冊は売れたからいいんですが、これはいくらなんでも大赤字。

大好きなスウィンギング・ロンドン期のファッション・デザイナー、ジョン・ベイツの作品集も新本ですごく安く買えたので3冊買ったけれど、宣伝しても値下げしても売れない。
なんでかなぁ。良い本なのに。こういう見当外れもあるものだ。

最近は、そういう激安の新本洋書に当たらないので、安かったときの事情もわからないのだけれど、素人商売はいい加減、卒業しないといけない、と勉強にもなった。
とりあえず、エクセルという大嫌いなソフトも使い始めたので、いつかは商人(あきんど)っぽくなれるかもしれない。
その前に「仕入れ」をなんとかしなければいけないんですが。。