2021/05/01 23:05

本を探していると、まさかのように自分を待ってくれていた本に出会うことがある。
この『Moda Fashion』という本もそうだ。18世紀から1950年代までのファッション・プレート集。
50年代のはプレートではないのでほぼ1930年代までがプレート。
18世紀、19世紀がとくに充実している。毎ページ1点の図版でほぼ全頁を構成した完全なヴィジュアル本。
しかも安かった。
古書店で見つけたのだけれど、僕はその場でスマホ出してもっと安いものがあるかとか検索したりはしない。それは古書店に対して失礼だし、そういう安さ競争が良質な古書店を潰していっているのだから。
これはmondo modernで売るためではなく自分のために購入。ウキウキだった。調子に乗って別のビルの中の古書店に寄った。
......なんか傘を持って歩いている人がいる。そういえば今日は天候不安定って、昨夜のニュースでやっていたよね、と思い出す。

外に出た。大雨ではないか! 
お茶を飲んで時間を潰したがどうにもやみそうにない。自転車で15分だから急いで走ればなんとかなるか。
本はレジ袋でよく包めば大丈夫だろう。。てな感じで外に出た。
ところが、だ。あろうことか途中で袋を落とした! ちょっと破けた! 焦る! 今日は出がけにカラスに糞をかけられたんだよね〜
家に着いて本を見ると四隅に濡れ跡が。
まぁ、安い本だしどこか売っているでしょう、とパソコンで検索する。
ところがだ、世界中ほぼ売っていない本だった。イタリアのサイトがひとつだけ販売していたが、送料を入れるとちょっと買う気にならなかった。
いやー、焦る。すぐに「雨で濡れた本は」と入れて検索する。結果、一番良いのは袋に入れて冷凍庫に入れるのだそうだ。ただし、縦に置くとのこと。料理好きなので冷凍庫は食品で満杯で本を立てて置くなんて無理。
二番目に良さそうだったのは、濡れた箇所、各ページにティッシュを挟んで上に重しを置いて数日、放置するという方法。
これ、やった。250ページあまり、毎ページにティッシュ挟んで。。
ふ〜、夕飯にするか。

2時間後、ちょっと出してみた。なんか良さそう。ティッシュに水が染みこんでいるので、またも250ページ、ティッシュを少しずつずらして水を吸い取るようにした。愛だよね、これは本への愛。
ちなみに重しに置いたのがTaschenから刊行された25周年記念の大型ファッション史本。
ばかみたいに重く大きいけれど、こういうときに役立つ。本は本を救う。
明日、良い状態になっていたらいいな...でも、少し心配で今晩、もう一度チェックすると思う。本ってペットみたいかも。