2022/12/30 17:45

2016年、ロンドンに行ったときにV&Aでロンドン・ファッションの回顧展をやっていた。
そこでBIBAやオジー・クラークを観て、ヴィヴィアン・ウエストウッドもあったことから、そうだ、キングスロード430番地に行こう!と思った。
1969年、アメリカン・ポップなファッションで人気となる〈Mr. Freedom〉をトミー・ロバーツがこの地にオープン。
ショップは流行ったが早くも70年には、そこは〈Paradice Garage〉となった。
〈Paradice Garage〉も70年代初頭のロンドンを代表するショップだったが、オーナーのトレヴァー・マイルスは、翌年にはここを売りに出す。

買ったのがマルコム・マクラーレンとヴィヴィアン・ウエストウッドだった。


キングスロード430番地、そこはマルコムとヴィヴィアンによって次々と店名/コンセプトが変えられ、〈Too Fast To Live, Too Young To Die〉になり(TEDSの大好きな言葉だ)、それは〈SEX〉に変わって、登場し始めたPUNKSのたまり場となった。
以後、430番地は〈Seditionaries〉、〈World's End〉へと変わっていく。

キングスロード430番地には、何か特別な魅力があったのだろうと思って行ったのだが、ちょっと寂れた感じでどうということのない場所だった。
この地を伝説的な場所に変えたのは、マルコムのプロデュース力とヴィヴィアン・ウエストウッドのデザイン的想像力だった。

じつは1985年頃、渋谷PARCOでだったか、ヴィヴィアンの〈nostalgia of mud〉の展示会があり、どういうわけか僕の事務所〈papier collé〉に展示用什器の製作依頼がきた。
当時はディスプレー仕事もけっこうやっていたから、そうなったのだろう。ニューペインティング風なオブジェを作ったが、あれは日本ではウケなかったろうなぁ。

マルコム・マクラーレンは2010年に64歳で亡くなってしまった。彼の94年の名作『PARIS』はいまでもよく聴く。
カトリーヌ・ドヌーヴがヴォイスで参加した『Paris Paris』は映像も素敵だ。
https://www.youtube.com/watch?v=EQAzmMn9j3s

このところブログを書くと誰かが亡くなった話ばかりになってしまう。
ヴィヴィアン・ウエストウッド、享年81歳。
みんな順繰りに死が巡ってくる。。