2023/04/14 05:18


マリー・クワントが13日、亡くなったという。
...93歳。
僕はファッション史家でもあるので、マリー・クワントについて自著や雑誌で触れてきた。
特別な思い出がひとつある。

10代後半からなのだが、古典的なフルファッション・ストッキングとガーターベルト・フェチで、
パンストというのがまったくダメだった。
だからつき合った女性もほぼ(僕が頼んだり、強制したわけではなく)ガーターベルト好きだった。
1970年代後半から80年代のレトロブームの頃は、そういうスタイルが好きな女性も少数ながら存在していた。

そもそも1960年代のミニスカート・ブームによってガーターベルトとストッキングは決定的な終焉を迎えて、パンストの時代になった。
あれは功利主義の産物だと思っている。
だからマリー・クワントは古典的ストッキングの埋葬者でもあったわけだ。
ところが80年代の1930年代懐古的ファッションの流れのなかでマリクワ・ブランドがシーム入りの古典的なストッキングを復活させる。
原宿セントラルアパートにあったお店で販売していたのだ。
ちょっとした驚きで、強く印象に残っている。

Youtubeにたいした動画がなかった15年前、ケーブルTVなどで集めた映像で
「Swinging London / 60's Fashion」という編集映像をつくり、Youtubeにアップした(下記リンク先)。
現在までの再生回数は22万回。
マリクワ初期のショーやキングスロードのDorry Birdたち、そしてクワント本人も最後に登場する。
なんか楽しそうな時代だったよね。

マリー・クワントは70年代に人気が下降したけれど、その後持ち直し、大きな事業の失敗というのはなかった。
93歳、恵まれた人生だったと思う。