2023/04/22 21:14

恵比寿にあるギャラリー〈LIBRAIRIE6〉での合田ノブヨ展。

コラージュと草木染めの技法を融合して、じつに独特な完成度の高い作品になっている。
紙に草木染めをしてそこに写真をコラージュしているのだが、
葉や枝、茎のフチが自然にぼけて、グラデーションというか痕跡を残して、そこがとても幻想的。
これはあとで描いたのかと思ったが、合田さんにお聞きしたところ、自然にできるものだとのこと。
この効果がとても良い。
まるでこの痕跡が、作品全体を〝夢の痕跡〟かのように思わせるところがある。
卵の殻に草木染めを施した作品もまるで描いたかのような繊細さ。
SNSの投稿では見ていたが、実物を見るとその繊細さや微妙な色調に驚く。
作家性とは〝探求〟のことだなぁ、とつくづく思った。
そして下の作品は額装しない不定形な作品。
草木染めとコラージュ、それにグラシン紙を使っている。
このグラシン紙が〝皮膜〟として作用していてとても良い。ゆで卵をむいたときの薄皮を思い出した。
あるいは貝殻の中の世界かのような...

明日が最終日ということだが、ほとんどの作品がすでに売約済み。
なかなかここまで売約済みという個展もあまり見たことがなく
これもちょっとした驚きだった。
会場には四谷シモンさんも来ていて、合田さんがご紹介くださった。
若い頃、雑誌で澁澤龍彦や四谷シモンが一緒の写真を見て、
いつかこんな風に二言三言でも話すことがあるとは、想像もしなかった(澁澤は存命中に一度電話で話したことがある)。
明日23日まで。

東京都渋谷区恵比寿南1-12-2 南ビル3F LIBRAIRIE6 /シス書店