2024/01/06 01:15

正月に実家の部屋を片付けていたら、20年近くしまったままにしていたクリアフォルダが出てきた。
20代からのいろいろなものを挟んである。
なかにあった2枚の写真を見て、いろいろ去来するものがあったので書き記したくなった。

...高校時代に写真部に属していたくらいだから、恋愛になった女性は写真に残してきた。
ただ、一人だけきちんと撮ってない女性がいる。
それがこの写真。


美術館関係の女性で、仕事の打ち合わせが始まりだった。
僕はそのときは何か〝予感〟のようなものがあって、メルローズのスーツにネクタイをして行った。
デザイン関係の打ち合わせではネクタイまではしないのに。

入口が上階にある建物のドアを開けると、下の階のドアが開いて女性が出てきた。
ベルトルッチ監督の『暗殺の森』(1970)でドミニク・サンダがバレエ教室のドアを開けて登場したとき...
まさにそれそのものだった!
ドミニク・サンダが現れたと。。
日本人だけれど。

美貌に長身、タイトなツーピースにハイヒールを合わせ、髪は長くソバージュにしていた。
ひと目で恋に落ちましたよ。大袈裟でなく。
ふたりで階段を上がりながら彼女の脚を見た。
美しかった。
いまでも映画のワンシーンのようにその場面が鮮明に思い浮かぶ。
のちに知ることになったが、彼女もまたガーターベルト派だった!

この写真は一緒に展覧会(僕が宣材から会場までアートディレクションしたバウハウス展)を見たときに咄嗟に撮ったもの。
ブレているし、これでは美脚かどうかわかりませんね。
でも宝物...僕には。


のちに僕はアルファロメロ・スパイダー・ベローチェ2000を購入するが、それは彼女が70年代のアルファロメロ・スパイダーに乗っていたことに触発されたもの。
購入したときにはすでにフラれていたので、僕のベローチェの助手席が暖まることはなかった。
修理代だけがかさんだという哀しい結果に。。


長くなるけれど、こんな写真も出てきたのでこちらの話も。
これは以前FBに思い出を投稿した、亡くなったマキちゃん、そのおみ足。
当時、J-WAVEのフリーペーパーの編集とデザインをpapier colleで請けていたとき、
「性格の良い脚、悪い脚」というページを企画した。

僕はかなりの「観相学」派(バルトルシャイティスを参照あれ!)で、身体のさまざまな部位に「観相学」的なことを見出している。
いまでもね。...で、気付いたのだ。
…完璧な美脚女性は、あまり性格が良くないかも、、わがままかも、と。

マキちゃんに電話して頼んだ。
「性格の悪い脚代表で写真撮らせて」と。
マキちゃんは大笑いしながら「私の脚は性格悪いんですかぁ?」と。
いや脚は美しいけれど、それは性格と関連すると説明したが、、
「私の脚なんかでよければ、いくらでも撮って使ってください笑」と。
彼女はとても鷹揚だったのだ。
自信も持っていたしね。

じつに美しいおみ足でした。
亡くなってからのほうがマキちゃんのことはよく思い出す。
昨年の夏は暑かったので、昔一緒に仕事で真夏の箱根にロケに行ったときのことをよく思い出した。
地上と天上を1枚の脚の写真が結ぶなんて、なんとも(ジョルジュ・)バタイユ的ではないか。