2024/01/30 20:55

ジョン・ガリアーノが2011年にユダヤ人差別発言でディオールを追われたときは、かなりショックだった。
1990年代後半から2000年代前半のガリアーノが最高すぎたから、ガリアーノのいないハイファッションの世界にはもう興味ないな...とまで思った。

2014年に本質的に傾向が異なると思えるマルタン・マルジェラのクリエイティヴ・ディレクターに就任してモード界に復帰したけれど、正直、あまり興味は湧かなかった。


....それが、2024年春夏のオートクチュール・コレクションの写真を見て、とても衝撃を受けた。
Youtubeで映像を探した。
Full Showがアップされていて3回も観たぞ!


凄すぎる。
マルジェラ的なものとガリアーノお得意の歴史主義的引用がミックスされて、懐古的で未来的。
僕は基本的に「引用」という概念が好きだ。
軽くみる人もいるけれどね。

モダニズムの終焉(ま、厳密には終わってないが)以降、世界のすべては引用と解釈で成り立っていると思うこともある。
ガリアーノが大好きなのは、つねに何かを引用をしつつ、すべてが「新しい」ことだ。
こんな才能は滅多にない。


今回のコレクションはまずメイクが凄い。
これは1920年代から50年代くらいのマネキンを模したもの(本文の最後に当時のマネキン写真を)。
まるでニスを塗られたような顔。
そこにPVCなど今の素材を使ってのクラシカルなドレスとか。。 


グローヴも素晴らしい。
ストッキングを破ったようなドレスや帽子も。。
もうきりがない。

僕は昔の女性のドレスが好きで1940〜50年代のドレスもコレクションしているが、このショーにもその時代からの引用のストライプのドレスが出てくる。

頽廃美と近未来。。ガリアーノ完全復活だな...