2025/02/19 04:05

カミーユ・モンフォール、実在したフランス人女性という触れ込みだ。
このポートレート写真に添えて彼女の波瀾万丈の人生が書かれていた。

FBのグループサイトの投稿で流れてきたものだが、
それによるとカミーユは1869年、フランス生まれで、父は外交官、母は貴族の血を引く家系。
のちに一家はブラジルに移住し、カミーユはオペラ歌手となり、当地で多くの浮名を流したという。



...そんなもっともらしいことが書かれていた。
さらには吸血鬼の嫌疑がかかったとか、1896年に亡くなった彼女の墓碑銘に刻まれたという言葉まで。
しかもみなそれが「真実」であるかのように書いている。

だが、この写真を見た瞬間、思ったことは、19世紀末にこんな顔の女性はいないということだ。
どう見ても「現代顔」だ。美人顔には流行というものがある。
19世紀末から20世紀初頭の絵はがきもたくさん集めてきた。
...こんな顔はいない。


でもカミーユの実在を信じた投稿も多かった。
ユダヤ陰謀論の発生についての本を書いている研究者まで実在を信じて垂れ流していた。
Youtubeにも投稿があるが、どれも内容は同じだ。
...ようするにひとつの発信源があって、それを検証もせずに多くの人が拡散していった...ということだ。

最初に見たときから時間が経って、再度リサーチすると、
カミーユ・モンフォールはブラジル出身の作家が創作した人物であり、写真も合成したものだ、というネット投稿がいくつも出てきた。
つまりはカミーユ・モンフォールとは実在しない女性であり、フェイクである。
AIアプリで、こんな合成写真は簡単につくれる時代だ。


気になって昔の女性の写真としつつ、現代の女性の顔を合成した写真を調べてみた。 
大量に投稿されている...
とくにPintarest界隈で、同じアカウントが大量に投稿している。
フォトショ的な合成ではなく、衣装もすべてAIによる絵なのかも...
ともあれ、いつかこんな合成顔が本物の19世紀末の絵はがき写真を凌駕してしまうのかもしれない。 
「そっちが偽物ですよ」なんて言い出す人もいそうだ。


先日、そんな体験をしたばかりだ...
パレスチナの地からパレスチナ人は出て行くべきだ...
それは国連が決めたことだ...ニュースでみた...と。
じつに暗澹たる気分になったものだ。