2025/06/07 01:32
自分の記憶力が良いとも思わないのだが...いや、興味のないことに関しては非常に良くない...視覚的記憶に関して、ときどき特別な能力を持っているように感じることがある。
憶えようとしたものでもないのに、ある図像を見たときにそれについてのことが一瞬で浮かび上がる。

見た瞬間に脳に浮かんだのは...映画『日曜日の人々』1929年...
ドイツ映画の素晴らしい作品だが、このシーンは宣伝等で使われたものではない。
それと製作年は記憶する気もないのにタイトルとセットになって記憶されていることが多い。
現在、この映画は1930年の作品とされているが、30年2月の公開で製作されたのは29年だ。
僕の記憶はだいたい公開年ではなく製作年。
この年号の記憶に関してはもっとたくさん逸話があるのだが、それは別のときに...
...『狂熱の孤独』イブ・アレグレ(監督)...と脳が反応する。
でも、これも有名なスチル写真とかではない。このシーンを記憶しているわけでもなかったが、ミシェル・モルガンのシュミーズ姿と窓からの光がこの作品を思い出させた。

3枚目はもっと驚いたが、この平凡な写真を見て...『早春』岸惠子...と脳に浮かんだ。
でも、こんな駅の混雑したありふれたシーン、誰が記憶するだろう?記憶違いでなければ、このあとカメラはプラットホーム側から電車を待つ人々を撮り、並ぶ岸惠子の美脚もカメラに収められたはず。。
40年近く前に観た作品だ。

ウォン・カーウァイはまったく評価してないのに。
でも、この写真にすごく似たシーンがあったはずとDVDを観直した。
...あった。
一瞬だがマギー・チャンと別の女性が階段で交差する。まさにこんな角度で。
(ソール・ライターとウォン・カーウァイの美意識は似たところがあるので、カーウァイがこの写真に影響を受けたのかもしれない)
グラフィカルな本を扱っているとたくさんの図像を見る。
書名はたいして記憶できないのだが、掲載された図像はすごく記憶していて、別の本で同じ図像を見たときには、すぐに脳が反応する。
...人にはどうでもよい話かもしれないが、このままこの話をせずに死んでしまったら、ほんの数人の友人以外にこの能力を知られずに終わってしまうので、ここに記した次第。