2023/04/28 16:31

脚フェチ映画としてのトリュフォー作品/終電車

フランソワ・トリュフォーが極度の脚フェチだということを、映画批評をやる人はほとんど言及していない。トリュフォーのそんなところばかり気になって、自著『パスト・フューチュラマ』の「脚、下降するエロティ...

2023/04/22 21:14

凝縮され、拡散する宇宙。合田ノブヨ「Green Remembrance」展

恵比寿にあるギャラリー〈LIBRAIRIE6〉での合田ノブヨ展。コラージュと草木染めの技法を融合して、じつに独特な完成度の高い作品になっている。紙に草木染めをしてそこに写真をコラージュしているのだが、葉や枝...

2023/04/14 05:18

マリー・クワントとストッキング

マリー・クワントが13日、亡くなったという。...93歳。僕はファッション史家でもあるので、マリー・クワントについて自著や雑誌で触れてきた。特別な思い出がひとつある。10代後半からなのだが、古典的なフルファ...

2023/03/23 20:10

1970年代の青ざめた絵の一群について─【合田佐和子展】三鷹市美術ギャラリー

三鷹市美術ギャラリーに【合田佐和子展】(3月26日まで)を観に行く。合田佐和子を知ったのは、唐十郎の『鐵假面』(72)のB全ポスターを武蔵美生だった兄が家にもってきたからだ。まだ高校生だったが、絵柄にけ...

2023/03/12 21:42

ビデオ・カメラとビデオテープ・レコーダーが分離していた時代。

こういう写真を見ると、いろいろな記憶が甦って心揺さぶられる。17歳、高校2年生のときにELMOの8mmフィルム・カメラで最初の映画を撮った。主演の女子にフィルムをあげてしまって手元に何も残っていないけれど、...

2023/03/04 03:11

ウェイン・ショーターの「ブラジル風バッハ 第5番」は美しい。

ウェイン・ショーターが亡くなった。もう89歳だったのか?なぜか、もっとずっと若いと思い込んでいた。ヴィラ=ロボスの「ブラジル風バッハ 第5番」という大好きな曲がある。いろいろな人がこの曲をやっていて、...

2023/02/13 07:10

月曜日は憂鬱

惹きのあるタイトルと思って「月曜日は憂鬱」(ニューオーダーの「Blue Monday」を思い出しますね)なんて書いたが、じつのところそれほど憂鬱なわけではない。独り身なので、土日にどこかに行くと家族連れや恋人...

2023/02/02 14:44

スターリン時代を生きたノンセンス...『ハルムスの小さな船』

『ハルムスの小さな船』という本に出会った。装幀・造本のセンスが良く、イラストにも強い惹きがあった。ハルムス...作者はダニイル・ハルムスという。まったく知らない作家だった。挿絵は西岡千晶。絵本のようだ...

2023/01/19 19:58

『はっぴいえんどの原像』、じつに内容の濃い本です。

以前、ミュージシャンの小坂忠さんが亡くなったときにこちらのブログに、その思い出を書いた。旧ジョンソン基地(現・入間基地)周辺に米兵用につくられたいわゆる〝ハウス〟に小坂さんは住んでいたが、僕の父は...

2023/01/16 15:45

高橋幸宏さんをモデルにポスター写真を撮ったとき...

誰かが亡くなったときしかmondo modernのブログを更新しない、というわけではけしてないのだが、せわしなくしていると誰かが亡くなっていく。そんな世代のなかに自分がいると実感する。ゴダールの死が強烈にショ...

2022/12/30 17:45

キングスロード430番地、マルコム・マクラーレンとヴィヴィアン・ウエストウッド

2016年、ロンドンに行ったときにV&Aでロンドン・ファッションの回顧展をやっていた。そこでBIBAやオジー・クラークを観て、ヴィヴィアン・ウエストウッドもあったことから、そうだ、キングスロード430番地に...

2022/12/22 13:34

キース・レヴィンも、、テリー・ホールも

死というのは、その属する世代において「リアルなもの」なのではないか、とつくづく思う。正直、上の世代の著名人が死んでもあまりショックを受けたことはない。フィリップ・ド・ブロカとジャン=リュック・ゴダ...

2022/12/18 14:09

儚い美を卵の殻に留める~コラージュ作家、合田ノブヨさんの作品

先日、「愛書家のための小間物ブランド~霧とリボン」で合田ノブヨさんの作品について書いた。1点の作品についてだけなので、字数は少ない。なので、こちらにもう少し本格的に合田ノブヨさんについて紹介したく...

2022/10/30 19:05

40数年前にドロテア・タニングの画集を買った古書店のこと

パリのドフィーヌ通りにある「Librairie Couleur du Temps」という古書店は有名なのだろうか?もう完全に記憶から消えているが、1977年8月9日、21歳のときここを訪れてドロテア・タニングの画集を買った。タニン...

2022/10/08 19:27

フランソワーズ・ドルレアックは25歳で交通事故死してしまった。

昨年9月にジャン=ポール・ベルモンドが亡くなったとき、このBlogにこう書いた。「有名人の誰が死んでもあまり感慨を抱くことのない僕だが、ちょっと動揺した」。そうなのだ、著名人の死に冷淡だったのにベルモ...